みんながつながる吹抜のある家

神奈川県横浜市

今回のクライアントは、松匠創美とは長いお付き合いの方でした。
奥さまと久保は、学生時代からの友人、また松匠創美の手伝いにも来てくれていた時期もあり、お人柄はよく理解していました。

そんなクライアントの家族構成は、ご夫婦と中学3年生の息子さんが一人。
これまでは、マンション住まいをしていました。

敷地は横浜の街道から一本中へ入った住宅街。北東側道路で、十分な広さがあり、南側からの採光が望める環境でした。
この敷地、元々はご主人のご実家である木造平屋建ての家が建っていました。その建替え計画ということです。

今回クライアントからのご要望は、風通しが良く、広がりのある家。
それに、ご主人は、趣味のオートバイをいじる事が出来るスペースと散らかしておくことが出来るPCコーナー。
奥様は趣味のフラダンスの衣装などがご主人の目に触れないように収納することができるスペース。
これまでお住まいのマンションでは個室のなかった、息子さんは念願の自分の部屋。
ご家族それぞれが、明確なご要望をお持ちでした。

そして、完成した計画は、1階LDKの南側にある吹抜を介して、全ての空間がつながり、ロフトに設けた高窓で、全ての部屋が風通しが良く、広々とした印象の家になりました。

オートバイスペースは、リビングの窓からは直接見えないように、でもキッチンの横に計画し勝手口でつながるようにしました。
また、PCコーナーは玄関から一番近いリビングの一部に計画することで、孤立することなく、声が届き、動線的にも仕事から帰ってカバンをここに置き、それまでの生活習慣を継承できるようになっています。

寝室は吹抜と一体的で開放出来るようになっています。でも、1階へ訪れたお客さまからは、部屋の存在を感じることは出来ても、横になって休んでいる姿が見えることがないようにしました。
また、奥さまのフラ用収納はこの寝室とつながるロフトに計画し、ものを持っての上がり降りを考え、梯子ではなく階段にしました。

息子さん念願の個室は、この家で唯一の片開き戸で仕切られていますが、吹抜上部に面した専用のロフトを設けたことで、完全な個室にはならないようにしました。

今回の計画では、年頃の息子さんの個室が、大きなテーマになりました。
プライバシーが守られつつ、閉じこもれない個室を考えた結果、専用のロフトを思いつきました。
子供部屋としては、少々贅沢なものとなりましたが、区切られていていながら家中を見渡せる開放的な専用ロフトはちょうど物見櫓みたいな空間でボーイスカウトで鍛えた息子さんの心をくすぐったようです。
引渡しの日に、自分のロフトから顔を出し、「ここからロープを垂らしても構造的に大丈夫でしょうか?」と想像を膨らましていました。

また、お伺いする時が楽しみです。

 建設地:神奈川県横浜市
家族構成:ご夫婦+子供1人
工事種別:新築
工事面積:102.39㎡
  竣工:2011年