こんにちは。
葉山・逗子・鎌倉・湘南エリアで無垢の木で注文住宅を建ててきた工務店【松匠創美(まつしょうそうみ)】です。
今日の目次は下記です。どうぞ宜しくお願い致します。

【1】 こんな感じに過ごしています 「 めぐりの森 」

【2】  家づくり雑記帖 「 東京スカイツリー 」

【3】 家づくりのことば  「 ヤリカタ 」

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【1】 こんな感じに過ごしています「 めぐりの森 」

こんにちは 田村です。

山の緑が色濃くなり気温も少し高くなってきましたので 犬2匹と相方を引き連れ 涼しい場所を求めて葉山と横須賀にまたがる湘南国際村へ散歩に行ってきました。

散歩といってもこの湘南国際村は 三浦丘陵という三浦半島南北に連なる山々のほぼ中央部分に位置する山の上にある場所なので 中年2人と老犬2匹が軽々と歩いては行けませんから 上まで車で行くことになります。
標高は180~200mほどで 晴れていると富士山や相模湾を一望することができる山の中に 閑静な住宅街と総合大学や国際交流センターなどの巨大な施設が建ち並んだ村になっています。
村内を何度か歩いたことはあるのですが その奥に自然を感じながら散歩ができる道があると 友人や久保(ブログ)に教えてもらっていたので 山頂の駐車場に車を停めて初めて歩いてみることにしました。

道の入り口には「めぐりの森」という看板が立っていました。道はどこまで続いているのか確認すると 大楠山(半島で一番標高の高い山)登山道へ続く2キロ弱の道と 途中別れて海の方へ下るような感じの道があることがわかりました。あまり下ってしまうと帰りが大変なので 迷わず大楠山へ向かうコースを選択しました。

しかし 歩き始めから道はどんどん下る一方で若干不安が頭をよぎりましたが 犬たちの様子を見ると アスファルトで整備されて歩きやすい事や下るほうが楽なこともあって スタスタと先を急ぎ嬉しそうなのでそのまま進むことにしました。ある程度下ると今度は軽く登るようになり視界がぱっと広がりました。すると 広大な草原目に入りこんなに広い空間が近くにあったなんて(写真では見ていましたが)と 本当に驚きました。

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とても気持ちがいいところなのに 時々ランニングをする人にすれ違う程度で人目を気にせずのんびりと歩けるし 車も入れないようになっているので多少アップダウンはあっても 最高だなぁ~と喜んでいると後ろの方からゴーゴーと音をたてて何かが近づいて来ました。

何?と振り向くと 頭にヘルメットを被った身体つきのいい男の人がインラインスケートを履いて勢いよく走り滑ってきたのです。そして私たちを気にもせず あっと言う間に脇を滑り抜けて直ぐに見えなくなってしまいました。道幅も広いのでそういった楽しみ方もあるのかと驚きつつ先に進むと 今度は手作り感満載の模型飛行機を持った大人の人達が前方に見えてきました。
全身の力を込め ブーメランの様な投げ方で飛行機を空へと飛ばす姿は子供に返ったように楽しそうで微笑ましい感じがしましたが うまく風に乗って高く舞い上がる飛行機は 見た目とは違い優雅で迫力がありました。

さらに歩いて行くと(また下るのですが)今度は葉山国際カンツリー倶楽部のクラブハウスとゴルフコースが見えてきて やがて大楠山への登り階段(山道)に辿り着きました。ここを登るのは嫌だわ・・と犬たちの足が止まりましたので もちろん人もですが・・ここから引き返すことにしました。(久保と空ちゃんもここで引き返したようです。)

随分と歩いたのとほぼ上り坂の帰りは道は 犬を抱っこしたりを繰り返しなんとか駐車場へ辿り着き 思いのほかハードでしたが 山に生息する草花や野ウサギの姿を見かけたりと なかなか楽しい散歩ができました。今度は サイクリングしに来るか・・・と相方がつぶやいたのには賛成できませんでしたが また散歩には来たいなぁと思いました。

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【2】家づくり雑記帖 「 東京スカイツリー 」

こんにちは、設計の田中です。
先日、東京のお台場にガンダムを見に行く途中、遠くに一際そびえ立つ東京スカイツリーが見えました。遠く横浜から見えたその姿は都内で見るのと違って周囲の建物よりも一段と飛び抜けて高く感じられ、ついつい驚きの声を発していました。そんな事もあり、今日は東京スカイツリーのお話です。

東京スカイツリーの建設地が墨田区業平橋、押上地区に決まった理由は、地域一帯になった誘致活動だった事、電波を発信しやすく、観光地化しやすく交通アクセスの良い立地だった事、それに意外だったのは土地が広かった事だそうです。
一方、東京スカイツリーの設計と施工を担うことになったのが、過去の実績と経験から日本を代表する設計事務所の日建設計とスーパーゼネコンの大林組です。

具体的な設計の前段階で入念な調査が行われました。地盤調査は数か所に渡って65メートル~130メートルの深さまで行い65メートルの深さの73万年前の地層までは活断層がなかった事が解ったそうです。また風速や風向きについては、上空600メートルの高さのデータが存在しない為、50回もバルーンを飛ばして調査したそうです。調査の結果、設計で設定した平均の風速は秒速83メートル。先日の台風4号の関東での最大瞬間風速が50メートルという事なので上空の風の強さには驚きです。

具体的な設計の段階になると、日建設計と施工をする大林組により共同チームが組まれて計画が進められました。これは珍しいことで、東京スカイツリーのような大事業になると設計段階で計画されているものが技術上、実現可能かどうかの検証を平行して行う必要があったからでした。
また、地震大国の日本では前例の無い高さに挑む為、構造計算で用いられる鉄骨やコンクリートの強度も通常より高いものが設定されています。それらの材料の開発、注文、製作は、設計図が完成してからでは準備が間に合わない為事前に情報を共有し、また杭基礎などは予め実物大で実験を行い予定の強度が確保できるよう検証もしていたそうです。

こうして計画された東京スカイツリーの形状は、足元が正三角形の三本足で上空にいくにつれて円形になっています。足元が正三角形となった理由は四角形よりも一辺を長くできる為でした。正方形で配置すると一辺が60メートルに対して正三角形だと68メートル。たとえ足の本数が少なくなっても正三角形の方が踏ん張りの効く形状なのです。東京タワーの姿に見慣れた日本人としては、それでもだいぶ細長い印象に感じてしまいます。
その細長いフォルムでも地震大国の日本で、高さ600メートル級の電波塔を実現できたのは、やはり高度なデータ解析と最新技術でした。実は、塔の中心部には芯柱(しんばしら)と言われるコンクリートの柱が造られています。塔が揺れた時に周囲の鉄骨と芯柱は別々に動き、お互いがオイルダンパーを通して反発をすることで揺れを抑え自立しています。

工事でも沢山の知恵と技術が使われました。
東京スカイツリーの敷地は、高さを競い合っている世界中のタワーと違って面積が小さく細長い形状をしています。しかも線路と川に挟まれていて、おまけに大都会の東京ですので周囲に空地もありません。決して工事しやすい土地では無かったと思います。高所作業を少なくし地上での作業を多くする為に、通常のタワー建築では後に造る低層階を先に造り、そこを作業場として利用したそうです。しかも、地下階部分と地上階部分を同時進行で造っていったので工期も大幅に短縮したそうです。また、地上で組み立てたものを上空に運ぶクレーンもコンパクトで釣り上げた高さが通常の1.4倍のものも開発しました。お蔭で高所でも安全に工事は進められ、強風にも東日本大震災も無事に乗り越えることが出来たそうです。

こうして完成した東京スカイツリーは、高さ634メートル(計画当初610メートル)。アンテナの長さだけでおよそ150メートル。基礎の深さ50メートル。第一展望台の高さ350メートル。第二展望台の高さ450mです。因みに、高すぎて大きさが掴めない第一展望台の直径は48メートル。調べてみたら高等学校の大き目の体育館くらいの面積でした。

松匠創美で建てている個人住宅は、東京スカイツリーと比較のできる物ではありませんが、クライアントにとって大事業であることや、思い入れの強さでは変わらないと思います。また、設計と施工が一体となって計画段階から練り上げていくところは松匠創美も似ているところがあると恐れながら思ってしまいました。これからも知恵と技術を出し合って設計事務所+大工として家づくりに励んで行きたいと改めて思いました。

設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方

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【3】 家づくりのことば

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

○ヤリカタ

このコーナーで、家づくりが始まる前に知っておきたいことばを書いてみたいのですが、何かありますか?と、ミーティング後に設計の2人に相談すると、久保が「ヤリカタ」と即答してくれました。

「でもヤリカタは以前書きました!」と自信を持って答えると「そうだっけ?」の声が・・過去に何を書いたか確認しようと田中の提案で、記録をチェックしたところ、案の定“やり方”の文字はありません・・。「あれ?上棟(建前)とやり方は、同じではないんですか??」と、疑う私に「えっ~?同じだと思ったの?全然違うものよ。」と久保が笑いながら教えてくれました。

上棟(建前)とは 家の基礎が仕上がった後に 一日で木軸組から棟上げまでを行う作業のことです。以前このコーナーで紹介した時には、この作業を指すいくつかの言葉があると書いたので、どうした事か(今では謎ですが・・)やり方もその一員と思っていたのです。

正しくは「遣り方」とは、計画建物よりもひと回り外側に杭を打ち込み、その周囲を横板(貫)で囲んだ仮設物のことです。その横板(貫)の部分に建物の壁の位置ごとに正確に壁の芯に水糸を張って表していくそうです。
「糸を張るときは、糸一本分の狂いにも神経を使って修正していくのよ。」と、話を聞いているだけで苦労が感じられ、汗がにじみ出てくる気がしました。

土地の地形も様々で、正方形の敷地はほとんどないことから、図面に計画された建物を実際の敷地に配置するときには、きちんと設計図と照らし合わせ、ひとつひとつ確認して進めることが大切な作業だとも話してくれました。

実際目で見て頂かないと伝わりにくいですが その仮設物は基礎が出来上がると取外ししてしまう事が多いことから 重要な物とはちょっと思えないほど簡単に設置されているように私には見えると伝えると まだ見習いの大工さんなどは よく間違えてそれに触って動かしてしまったりする事があって・・親方などにひどく怒られるエピソードもあると教えてくれました。

やり方は必ず打合せの中で出てくる言葉なので 覚えておくことをお勧めします。私も基礎の基礎から狂うことなく学んでいかないと・・いけないですね。

○ 遣方 (やりかた)                                                                                              建築に先立って柱心などの基準となる水平位置を示すために設ける仮設物。建物の四隅および要所に水杭を打ち、これに水貫を打   ちつけて基準定木とする。   (建築学用語辞典 岩波書店より)

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