■ 第57号 ■

■□・・―――――――――――――2011年10月12日

   木の家を知る・建てる・暮らす

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□ 目次

【1】 こんな感じに過ごしています「 葉山クッキー 」

【2】 「 台風被害は火災保険で 」

【3】 家づくりのことば 「 トメ 」

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【1】 こんな感じに過ごしています

こんにちは 田村です。

自転車通勤の途中に 三角形の土地に建っている三角形の小さな木造2階建ての建物があります。
不動産屋さんの店舗で(外から覗いてみただけですが)1階はお客さまと打合せができるようなスペースで2階は事務所のようです。

フロアーに5人も入ればいっぱいというこじんまりとした広さですが何かお店を開くならば 丁度良さそうな広さだなぁ 知り合いでお店を開きたい人いないかなぁ~と色々想像して前を通り過ぎていました。

休日に 葉山で「Conejo」という小物ブランドを展開している友人の彩香ちゃんに会い話をしていた時 彼女が「あそこでお店を構えてみたいと思っている。」と偶然言い出したので「トイレやお茶を沸かせるくらいのキッチンはあるのかな?」「1階を 展示スペースと作業所にしたら素敵だよね。」と 彼女の夢を膨らませて2人で盛りあがりました。

しばらくすると 不動産屋さんがお店を閉めることになりました。建物も取り壊しかと残念・・・に思っていましたが 何日過ぎても取り壊す気配がないので 彩香ちゃんに「空き店舗」になったようだと伝えると「実は空き物件で出てないか調べてみたけれど見当たらない。」という答えが返ってきました。

建物は・・店舗は今後どうなるのか解らないままのある日 軽トラックが2台ほど店舗の脇に停まっていて 中で作業をはじめているのが見えました。
「あぁ ついに人手に渡ってしまったか・・。」と すっかり彩香ちゃんと一緒に夢を見てしまったせいかガッカリはしたものの 早くも今度はどんなお店ができるのかワクワクしてきました。

そうして 窓やドアの位置、壁の色は変わりましたが 三角形の建物はそのままの形を残して新しいお店が完成しました。

マスカット111010

お店の名前は「マスカット」さん すこし懐かしい味がする手造りのクッキー専門店さんです。
実は 以前葉山の別の場所で営業されていたのですが お店が閉店してしまい残念に思っていたのでオープン当日の朝 新しいお店から甘くて香ばしい香りが道いっぱいに広がっているのを嗅いだ時 とても嬉しくなりました。

仕事の帰りに 勢い良くお店のドアを開け「またクッキーが食べられるのが嬉しいです。」と店主さんに伝えると「ありがとうございます。」と笑って喜んでくださいました。お店の名刺を頂いて気づいたのですが なんと5分ほど歩いた近くには「カフェ マスカット」さんという パフェやワッフルなどのお菓子とお茶が飲めるお店を営業していたそうで そこでクッキーが買えていたようなんです・・・知りませんでした。 

彩香ちゃんには「先を越されちゃったのは残念だけど 同じように狙っている人がいたのは納得!」仕方がないと話し合い「次空いたら・・頑張って!!」なんてねと まだ夢を膨らませているところです。

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【2】 「 台風被害は火災保険で 」

こんにちは、設計の田中です。

先月の台風15号上陸の後、数人の友達やご近所さん、それから同居している親からまで、被害について相談の電話をもらいました。
話しをしてみますと、皆さん火災保険で台風被害の修繕費用が出ることを知りませんでした。
そんな事もありましたので、今日は火災保険について簡単にご説明したいと思います。

まず、契約をされている火災保険は、損害額いくらから保険金が支払われるのかを調べてみてください。
一般的に20万円からと言うものが多いようです。中には、特約でもっと安い損害額から支払われる保険もあるようです。また、家財保険が付いていた場合、家の損害額と家財の損害額を合わせて20万円以上であれば保険金は支払われたりします。

ここで注意をしたいのは、20万円と言うのが損害額だということです。
火災保険の申請をする為に見積の作成をします。その見積の内容は、処分費用だとか色々と含まれた修繕費用です。実は、修繕費用イコールが損害費用ではないのです。

例えば、今回の台風で僕の実家の屋根は、棟板金と呼ばれる三角屋根の一番上の金物が吹き飛ばされ雨漏れが起きました。
実家の場合、屋根が急勾配の為に家の四周と屋根の上までの大規模な足場を掛けないと修理が出来ません。しかし、保険金が支払われるのは、飛ばされてしまった棟板金と屋根材の損害額(減価償却後の時価)です。保険会社に過剰な足場だと査定されてしまうと、修理費用の全額が出ないことも考えられるそうです。

また、親戚の家では道路沿いの竹垣が倒れました。竹垣を処分した場合、査定で費用をどう判断されるか微妙なところだそうです。
あまり見積もり額が嵩んでしまうと、保険金の支払いを請求した場合の査定が厳しくなるそうです。
あくまで損害額は被害部分の減価償却後の時価という考え方なので、処分費は竹垣の価値とは関係ありません。こういう場合も全額支払われないケースも考えられるようです。しかし、一戸建ての家の場合は門や塀、カーポートなども対象になる事はありがたいことです。

友人の家では、僕の実家と同じく屋根の棟板金が飛ばされ、玄関ホールの天井が落ちてしまいました。火災保険では、台風を起因に起きてしまった雨漏れによる内装の被害も対象内です。こういう場合はよくあるケースのようで、見積金額が全額支払われることもあると聞きました。
因みに、単なる窓の閉め忘れによる被害では、保険の対象になりません。

保険金の請求手続きでは、写真と見積が必要になり、鑑定人や調査員による現場の調査もあります。
いつも見積の金額がそのまま支払われるとは限りませんが、厳しい査定を受けないような正直な見積を作成するのがコツと保険屋さんは言っていました。

と、ここまで保険金の請求について、ややこしく書いてきましたが、以外な点もあります。
たとえば、修理後の写真や検査は無く、保険金支払い後については干渉してきません。それどころか支払われた保険金を別のことに使っても良いとも言われています。これは、保険金が修理費用に対して支払われるのではなく、損害額に対して支払われているからだと言うことのようです。

台風被害は予定外な事だけに、とてもショックな事だと思います。ですが早めに保険会社と工務店などに相談してみてください。
手を掛け愛着を持たれた家以上のECOハウスは無いと思います。

設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方

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【3】 家づくりのことば

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。
なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

○ トメ

「留め」と書きますので 何かを固定するんだな?と解りやすいですが はじめは固定する道具か何かと思いました。残念ながらそうではなくて 3回ほど部材の接合方法を紹介してきましたが 留めもその1つです。

窓枠や絵を入れる額縁の縦と横の材料の角が それぞれ斜め45度にカットされくっついているのをよく目にしていると思います。そのように接合する方法を留めと言うそうです。

どうして斜め45度にカットされているかというと 部材の切断面が見えないように綺麗に納める為だということです。

工場で生産されたプライウッドなどの材は 動きが少ない為 留めのような接合方法でも問題はありませんが 堅木でない無垢の材の場合 動きがでるのでこの方法では後々ズレが出て美しくなくなる場合があると言うことを 久保が教えてくれました。

松匠創美では 窓・玄関や各部屋の扉の開口枠など 別の接合方法で納めているということです。
次回は その接合法をご紹介します!

○留め

=小口を見せないで、45度に組む仕口。建具や開口部枠・額縁の角で、縦材と横材の納め方の方法。「建築専門用語/住宅編」より

=隅角部における部材接合法の一つ。それぞれの部材の木口が見えないような接合法。「建築用語辞典」より

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☆お付き合いいただきまして ありがとうございます☆
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