今日は前回に引き続き、コロナ禍で迎える初めての冬、どの様にして室内の空気環境を良好に保つかの「湿度」について考えたいと思います。

コロナ禍で加湿器が売れていると聞きます。マイクロ飛沫の拡散を抑える意味からも湿度は、40%以上60%以下に保つのが良いとのこと。60%以下にするのは、カビや結露などの別の弊害を避けるためです。松匠創美では冬に入り、温湿度計を各所に置いて、常時チェックするようにしています。観察しておりますと12月に入り、急速に事務所の湿度が下がり始めました。それでも当初は構造材などの木部が水分を吐き出すことで、ぎりぎり40%をキープしていましたので、洗濯したタオルや雑巾を部屋干ししたり、観葉植物の鉢を室内に置くようにしたり、コップに水を入れておいたりと工夫をして湿度を保つようにしていましたが、12月中旬に入る頃には30%台の日が続くようになってしまいました。

そこで、ついに自然の力だけでは難しいとの判断で加湿器を導入することにしました。導入した加湿器は、気化式で加湿量550mL/h、適用面積はおよそ木造和室9畳程度の能力のものです。

効果は1日目から発揮され、湿度40%を切ることはなくなりました。しかし当初は構造材やフローリングなどの木部が水分を蓄えるまで、加湿器を止めるとすぐに40%を切ってしまっていました。その後、55%くらいまで一度しっかり上がってからは、一晩中稼働していなくても翌朝、湿度が保たれているようになりました。

そして、このくらいの湿度を保っていますと床暖房による無垢の床材に起こる隙間も少なく抑えられることもわかりました。このように加湿器を1台1階に置くことで、2階も室温で1、2度、湿度で1、2%の差はありますが、各階共に快適な温湿度で、過ごすことが出来ています。気化式の加湿器は水蒸気が出ることなく、音も静か、仕事中に気になることもありません。時折、気化式では能力が足りないとの声も聞きますますが、気密性の高い、高断熱な無垢の木の建物は小さなエネルギーで室内の空気環境をコントロールし易いメリットがあると実感しております。

室内の空気環境にこれまで以上に気を配ることで、より快適な日常を得ることが出来たことは、コロナ禍の中で、一つ良い出来事だったのではと思います。まだの方は是非試してみて下さい。

これは余談ですが、購入にあたりまして、本体を壁の色に合わせて白にしたかったところ、白は売り切れで入荷の予定が立たず、やさしいブルーの本体になりました。まさに、加湿器が品薄状態である証ですね。