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2013 年 5 月 のアーカイブ

メルマガ 2013/05/22

■ 第96号 ■ 家づくり雑記帖 「 世界文化遺産、武家の古都・鎌倉 」

□ 目次

【1】 こんな感じに過ごしています  「 SUNSHINE+CLOUDさん 」

【2】 家づくり雑記帖  「世界文化遺産、武家の古都・鎌倉  」

【3】 家づくりのことば  「 折れ戸 」

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【1】 こんな感じに過ごしています 「 SUNSHINE+CLOUDさん 」

こんにちは 野上です。

5月に入り事務所に向かう途中の路地で カエルの鳴き声が聞こえるようになりました。ここ数年カエルの数は全国的にも減っていると聞いたことがあるので 葉山ではまだまだ元気な鳴き声が聴けるのでほっとします。あたり前だと思っていた事や物が いつの間にか無くなってしまうと寂しい・・葉山で十数年お店を開いていらっしゃる サンシャイン・プラス・クラウドさんもそんな存在ではないでしょうか。

オリジナルからインポートブランドの洋服や雑貨を扱うセレクトショップで オープン当時はそんなお洒落なお店は葉山では珍しかったので 地元の人だけでなくわざわざ遠くから買い物をしに来るお客さんも沢山いて 今でもその人気は変わりません。 そのサンシャイン・プラス・クラウドさんが お店を移転すると聞いた時は 葉山から居なくなってしまうの?と心配しましたが 前のお店から歩いて数分の場所で新たにお店を開くと聞いてほっとしました。

そして 先月オープンしたばかりのお店に行ってみました。和菓子で有名な虎屋さんの元保養所だった建物を改修した店内は 1階部分を使ってお洋服と雑貨・本とお花を扱うスペースと 軽い食事とお茶を楽しめるカフェスペースという造りになっていました。

以前のお店も木々に囲まれ開放的でゆったりとしていましたが 今度のお店は天井も高く 元々は仕切られていた壁を取り払って空間を広く使い 沢山の商品がスッキリと美しくレイアウトされていました。 スタッフさんは適度な距離を保ちながら声をかけてくれて 私が色や形で悩んでいると 「飽きずに着られるものがいいですよ」と的確なアドバイスでそっと背中を押してくれます。自然の中で過ごせるようにとシンプルでカジュアルなデザインの物が多いのですが 安価な商品ではない為 長く愛用して欲しいというお店の方の思いも感じられました。

買い物が終わりお隣のカフェがとても気になったので お茶をして行く事にしました。 洋服・雑貨スペースとカフェスペースは 背の高いガラスの引き戸で仕切られていて そこを引き開けると 大きな8~10人掛けの木のダイニングテーブルが真ん中に置かれていました。他にはテーブルは無く 天井から2台の照明が吊下げられたとてもシンプルな内装です。3時以降はハッピーアワーということで「ビールいかがですか?」と嬉しいお勧めをされたのですが 今回は車で来てしまったため ぐっと堪えて蜂蜜のジェラートを頂きました。ほのかな甘みと冷たさを楽しみながら 虎屋さんの時代から育ってきたと思われる庭の大きな木々を 窓から眺めてのんびり過ごす事ができました。

IMG_2965

お店は一色海岸と御用邸の近くにあります。ハイシーズン前の静かで緑濃いこの季節に 素敵なお店でゆったりとくつろいでみてはいかがでしょうか。 私も今度こそは美味しいビールを頂きに 散歩しながらお邪魔したいと思います。

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【2】 家づくり雑記帖 「 世界文化遺産、武家の古都・鎌倉 」

こんにちは設計の田中です。

前回、ユネスコの世界文化遺産に登録予定の「富士山」について、今日までの道のりを書かせて頂きました。今回は、富士山とは逆に登録が難しいと判断された「武家の古都・鎌倉」のお話しを書いてみたいと思います。

僕は鎌倉市に住んでいます。鎌倉に住みながら、鎌倉は古都としての魅力に少し欠けるように感じていた一方で、きっと世界遺産には登録されるのだろうとも思っていました。

魅力が欠けると思っていた理由は、多くの人の意見と同じで都市化です。登録されるだろうと思っていた理由は、そうは言っても自分が知らないだけで800年前の古都の貴重な資料はあるのだろうとの思いからでした。

鎌倉の登録予定だった資産は、点在するお寺等、周囲の山にある切り通し、日本最古の港で、それらが総体として「武家の古都・鎌倉」の価値を示しているとしていました。しかし諮問機関のイコモスからの勧告の内容は、「証明する実態が伴わない」「都市化の影響は無視できない」という内容だったようです。

やっぱりと思う反面、証明する実態が無い事にがっかりしました。

確かに、鎌倉幕府の跡地の位置は、市民と言えども誰もが知っている事ではありませんし、点在するお寺巡りをしても、それらを結ぶ道には現代の住宅街や商店街が殆どで、当時の様子を伺い知る事はできません。

どうして、この様な街になっていったのでしょうか。

鎌倉時代、武士政治の中心として鎌倉は栄えますが、室町時代になると幕府は京都へ移り鎌倉の寺や神社は荒廃します。その後、江戸幕府によって復興再建がされますが、明治維新後は神仏分離令の廃仏毀釈によって鶴岡八幡宮も取り壊され再び荒廃します。更に、1889年に日本海軍の横須賀基地との連絡ようにと、半ば強引に横須賀線が開通されます。この横須賀線は今でもそうですが、円覚寺の境内を通り抜け、鶴岡八幡宮の参道の若宮大路をも横切ります。戦争が終わると、横須賀線によって便利になって海と山に囲まれた鎌倉での大規模住宅地の開発が始まります。次第に開発は、鶴岡八幡宮のすぐ裏手まで押し迫り、文化人と市民団体による反対運動をきっかけに古都保存法が整備されるようになります。

この高度経済成長期の一連を「昭和の鎌倉攻め」と呼び、法整備が出来たのが1966年頃の事です。

実は、この一連の騒動の間に、山間部の住宅地開発とは別に、法が整備される前の滑り込みで幕府や武士の邸宅の跡地に大きな建物が建てられてしまいました。その代表的な建物が現在の鎌倉市役所です。

元々、石の文化、貴族社会の欧米に、木の文化、武士の政治が伝わり憎いとされていましたが、イコモスの評価では、武士の古都は世界的に珍しいとの事だそうです。やっぱり問題は保存状態なのだと思うと登録への道のりは相当険しい様に感じます。

地図で見て頂くと解りますが、鶴岡八幡宮と海を真っすぐに結ぶ若宮大路という参道があります。海の方から鶴岡八幡宮に向かって歩くと、丘の上の一の鳥居のみが堂々と立って見えます。一の鳥居に到着すると今度は鶴岡八幡宮までの参道が眼下に広がる。はずだったのだろうと思いますが、現在は、歩道橋やら横須賀線のガードが横切り、神性さが半減してしまっています。

景色や建物の外観は、皆の共有財産という事をもう一度整理して考えたいと思います。

設計:久保歩美・田中伸二 松匠創美の 「家づくりの考え方

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【3】 家づくりのことば

私(野上)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今の言葉は何だろう?」と思う建築用語がたくさんあります。なんとなく聞き覚えのある言葉や初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

○ 折戸

今住んでいる家(マンション)のお風呂の戸は2枚戸になっていて、脱衣室から風呂場に向けて戸と戸の間を押すようにして開きます。すると中心を丁番でつないだ2枚が折り重なるようにして納まります。片開き戸のように左右どちらかの軸にスライドしながら納まるのですが、開口部の半分の幅で戸が納まるので、風呂場など狭い空間でも、障害なく開け閉めできるのでこの戸を設ける事が多いそうです。閉める時は持ち手を手前側に引くと閉まります。この戸を「折戸」と言います。

風呂場の他にも部屋のクローゼットに折戸を使う事がありますが、奥側(内側)に向かって押し開く動作と違って、クローゼットの場合は手前側に引きながら開くそうです。 これは両開き戸と同じ理由で、物が納まっていたら当たってしまうので開く事が出来ないからだそうです。「では、風呂場だとどうして奥側(内側)なのかわかる?」と聞かれたのですが・・・答えは「戸に着いた水滴が脱衣室側に落ちないように考えられているからだそうです。

家や建物では無いのですが、バスの前側の扉もこの折戸が使われていると思います。開く方向は外側だと、何かの拍子で自転車やバイク・通行人に当る危険性があるので、内側に開くようになっていて、片開きだと動作スペースを内側に確保するのが難しいので、折戸にすることで広い間口幅でも半分のスペースで、難なく開け閉めできる事が今回の事でわかりました。

○ 折戸 = 戸と戸を丁番で連結し、開けたときに折れるようにした戸。

(→折りたたみ戸 2枚以上の戸を丁番で連結して一体とし、開けたときに折たためるようになった戸。)

(建築学用語辞典 岩波書店)

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☆お付き合いいただきまして ありがとうございます☆

出会い・つながる・木の住まい 有限会社 松匠創美

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メルマガ 2013/05/08

■ 第95回 ■ 家づくり雑記帖 「 世界文化遺産・富士山 」

□ 目次

【1】 こんな感じに過ごしています  「 ご近所 」

【2】 家づくり雑記帖  「 世界文化遺産・富士山   」

【3】 家づくりのことば  「 親子戸(扉) 」

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【1】  こんな感じに過ごしています  「 ご近所  」

こんにちは 野上です。

葉山では恒例となりました「葉山芸術祭」が今年も始まりました。 葉山では・・と書きましたが ここ数年は近隣の逗子や鎌倉に横須賀・・遠くは大磯なんて所からの参加者も増え 葉山の枠を越えたアートフェスティバルになってきているようです。 物作りをする人たちがこの期間を使いお店やギャラリーの他 自宅の一部を開放して作品を展示したり ワークショップを開いたりと色々面白いイベントで またそこに暮らす作家さんの生活風景を垣間見る事ができるのも楽しみの一つだったりします。

事務所の近くに 毎年芸術祭にご自宅で作品を展示・販売しているシルバーアクセサリー作家の太田さんと言う方がいらして 昨年頃からお互い保護犬の里親になった事をきっかけに親しくさせていただくようなり 今回初めて作品展に行って来ました。

実は以前から個性的な建物のご自宅が気になっていたので キョロキョロ見ながらお邪魔すると 可愛いお花や緑がセンス良く植えられたアプローチの奥に玄関があって その玄関は一般的には珍しい大きなガラスが入った木枠の引違い戸で 中の土間と2階へ上がる階段が目に入ってきます。そして広い土間には綺麗に磨かれたアンティークの棚や低いテーブルが置いてあって 純銀を叩いて作ったちいさなボタンがチャームの可愛らしいネックレスや さらりと身につけられるシンプルなデザインのアクセサリーの他に 保護犬団体へのチャリティー用に作られた犬をモチーフにした真鍮のピンブローチなど いくつもの作品が並べられていました。

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愛犬のみーこちゃんと一緒に私を出迎えてくれた太田さんは 気さくでお話しが楽しい方なのでいつも笑いが絶えません。そして コットンや麻などのシンプルだけど細部にこだわりのあるワンピースなどに ご自身の作品を身につけていて 普段からとてもお洒落だなぁと思っていましたから 玄関先でのほんの少しの時間でしたが お邪魔してみて改めてそんなお人柄が作品や暮らし方にも表れているのを感じました。

4/20(土)~5/12(日)まで開かれている芸術祭も残り僅かですが 葉山に暮らす人々の話を聞ける良い機会なので 葉山に興味のある方は軒先にかけられた芸術祭目印の旗を探しながら お散歩がてら覗いてみてはいかがでしょう。

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【2】 家づくり雑記帖 「 世界文化遺産・富士山 」

こんにちは設計の田中です。
先日、富士山の世界遺産登録のニュースがありました。
一方、松匠創美のある葉山のご近所さんの鎌倉市は、諮問機関のイコモスから、登録にふさわしく無いと勧告を受け、明暗を分けるかたちの結果になりました。
と言うことで、今回は、2回シリーズで「富士山」「武家の古都、鎌倉」について書いていこうと思います。

世界遺産と言えば、人が集まり過ぎてゴミや保全の問題が拡大するとか、単に商業目的と言われる事も増えてきて、僕自身も少しそうなのかなぁと思うところもありました。ところが富士山のニュースは、嬉しさと共に、何故だか誇らしさみたいなものを感じてしまいます。いくつものハードルを乗り越えての富士山の登録物語を簡単に紹介します。

富士山の世界遺産登録への活動は21年前に始まったそうです。
当時は、世界自然遺産への登録を目指しておりましたが、国の推薦から2回落選し断念することになりました。
落選の理由としては、登山道のトイレの垂れ流しやゴミの不法投棄、その他にも自衛隊訓練地や観光地開発の進み過ぎについて言われていました。
ところが、これらの事を改善したとしても登録は難しかったと言われている理由があります。それは富士山固有の動植物の貧しさです。
富士山は、成層火山(コニーデ型火山)で、ほぼ同一の噴火口で噴火を繰り返して出来た円錐型の山です。実は、あの綺麗な稜線の変わりに他の山々から孤立していた事や、今の姿が完成した後に繰り返し起こった噴火の間隔が、固有の高山植物等が生まれる為の年月として足りなかったようです。

山梨県と静岡県は平成17年より方針を変更し、富士山信仰として世界文化遺産への登録を目指し活動していきます。
新しいトイレの設置、ゴミ問題のキャンペーン、芸術との深い関わりの資料として、葛飾北斎の富嶽三十六景の買取り等の結果、昨年、「信仰、芸術、文化の活動に関連する文化的景観として」国より世界文化遺産への推薦を得る事が出来ました。
そして、先日の世界文化遺産登録の見通しのニュースへとつながったのでした。

諮問機関のイコモスからは、富士山は疑いなく日本の国家的象徴ではあるが、その影響は日本を遥かに超えていると評価を受けました。
登録の対象地は、頂上の信仰遺跡群の神社。実は富士山の8合目以上は全て、富士山本宮浅間大社の広大な境内だそうです。境内より下が国や県の所有になっているそうです。
それから、富士山周辺の名所や史跡、四つの登山道と富士五湖。
久保のブログにも出てきた事がある白糸の滝も、富士山の湧き水ということ、信仰者が修行や巡礼の場だったことで含まれています。
その他にも富士山巡礼の人の宿や食事の提供した御師住宅(おしじゅうたく)や巡礼の際に身を清める富士山の伏流水で出来た池も含まれているそうです。しかし、静岡県の三保の松原は、ちょっと富士山から離れすぎと言う理由で対象地から外さなければならなさそうです。

登録後の課題では、イコモスの勧告で受けた、開発の抑制と登山者が持ち込むゴミなどに緊急な対応が必要で、維持管理の為に入山料の導入も検討されているそうです。

日本の象徴の富士山を世界遺産に登録するには、みんなが大事に扱わなさ過ぎた事を明るみに出してしまいましたが、できる事からみんなで改善していった事による念願の登録でもありました。これからは、世界遺産に登録される事で諸問題が大きくなる事よりも、付き合う側が変わる事が重要なのだと言う事を、初心に戻ってアピールして行きたいと思いました。

設計:久保歩美・田中伸二 松匠創美の「家づくりの考え方

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【3】 家づくりのことば

私(野上)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今の言葉は何だろう?」と思う建築用語がたくさんあります。なんとなく聞き覚えのある言葉や初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

○ 親子戸(扉)

前回紹介しました両開き戸と方式が同じで、幅の違う左右2枚の親戸と子戸が開閉するタイプの「親子戸(扉)」は玄関や門に使われることが多いと聞いて、玄関の戸の幅より小さい戸らしき物が脇に付いていて、夏になると戸は閉まっていてもそこだけを開けて部屋の風通しを良くしている家が事務所近くにある事を思い出しました。

その光景を初めて目にした時、まさかそこが開くとは思っていなかったので驚きましたが 、人が通り抜けるには難しい幅でしたので、玄関を開け放しておくより防犯上安全だと気づき、とても機能的でいいなぁと感じました。

それから、タンスやベッドなどの大きな家具を搬入しやすくする為、両方の戸を開いて開口部を広くするそうです。 戸建では掃き出し窓から大型の家具を搬入できるので、あまり親子戸を設ける事はないそうですが、門に使うと便利だと思いました。

○親子戸(扉)= 2枚の扉幅が大小異なる両開き戸 日常時は子扉をフランス落しでロックしておき、親扉のみを開閉して片開きドアとして使用し、大型家具などの搬出入時に子扉も開けて使用する。 (住宅建築専門用語辞典より)

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☆お付き合いいただきまして ありがとうございます☆

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